THE FIDDLER'S FAKEBOOK

  • 2016.10.14 Friday
  • 01:20

THE FIDDLER'S FAKEBOOK

 

/ David Brody

 

こちらはfiddlerのためのリードシート集です。ケルト音楽や北米のトラディショナル音楽などおよそ500曲のメロディーとコードがアルファベット順に収められています。
それぞれの曲のタイトルとともに、どの録音から採譜したか、他の呼ばれ方(曲タイトル)、地方、様式、旋法などがしるされています。
もともとはブルーグラスやアイリッシュ音楽の譜面を探していて手にしたこちらの本ですが、木琴で弾いていくととても興味深いことに気づきました。
マリンバはバイオリンの曲を弾くことが多くあります。私が習っていた先生も、バイオリンの曲をいろいろ教えてくださいました。音域に無理がなかったり、クラシックの古典作品が存在しないマリンバ奏者にとってバイオリンの曲は大事なレパートリーだと思います。
バイオリンの速く弾く華やかなパッセージは、マリンバでもやはり華やかで、難しく、たくさん練習した記憶があります。

この500曲を始めからのんびり弾いてみて(まだ最後に行き着いていません。。)フィドルの得意とする動きと二本ばちの木琴の得意な動きはずいぶん違うということに気づきました。きっと私が下手なせいもあるのですが、、それ以来この本から、「なぜだか木琴では弾きにくい動き」を取り出して全部の調で弾くのが私の密かな挑戦となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、よく使われているなぁと思う三つのまとまりのフレーズ。二本バチだと地味にむつかしい。
 

 

こんなに少ない音しか使われていないのに、、本当に、これは、、

すぐには弾けないです。




手順のつけ方の検討にも繋がるのですが、「とっさに弾く場合」と「考えて弾く場合」両方やるのがよいだろうと思っています。

 

George Hamilton Green's New Series of Individual Instruction Course for Xylophone and Marimba

  • 2016.04.19 Tuesday
  • 09:35



George Hamilton Green's New Series of Individual Instruction Course for Xylophone and Marimba - Modern Improvising and Application of Ideas to Melody for Advanced Players Only -

/ Bob Becker

ものすごく長いタイトルですが、Modern Improvising  と呼ばれています。
こちらは1936-1937年にInstruction Courseと同じく1回分ずつ独立したかたちで発行されたものです。「より進んだ生徒のための」35のレッスンには、優れたインプロヴァイザーとしても知られたジョージハミルトングリーン氏による即興へのアプローチの方法が書かれています。Bob Becker氏により1986年(序文によると1984年)に再版されました。 

各レッスンではまず様々な拍子やリズムパターンで弾く分散和音major(c,e,g,c)、dominant seventh(g,b,d,f)、diminished(c,eb, f♯,a)、minor cord(a,c,e,a)、augumented or whole tone(c,e,g♯,c)が書かれており、それぞれ最後のページはそれらを組み合わせたカデンツァの様なものが載っています。中盤で6thコードやクロマティックでのアプローチを練習して、レッスン15からはこれまでのパターンを使ったインプロヴァイズに入っていきます。
ボブベッカー氏の序文と考察によると、当時の和音は現在ほど複雑なものはなく、それぞれの調に対して上記プラス数種類のシンンプルなものだったようです。それによってなのか、インプロヴァイズの音程的なアプローチはクラシックの変奏曲の考え方に近いような印象を私は持ちました。リズムに関しては長い尺でシンコペーションが続いたり、アクセントがずれたり、当時の音楽ではどのくらい一般的だったのかわからない面白さがたくさん出てきます。これについては後に詳しく調べてみたいと思います。

ここまで書いてInstruction Courseの回に書いた疑問、なぜコードネームが書かれていないのか、について。コードネームはまだ無かったのかもしれない、と気づきました。よく考えてみたらまだジャズが広まる前の時代のこと。なんだか腑に落ちました(気づかなかったのが、すごい。)、そしてクラシック出身の私としては、とてもとてもハミルトングリーンメソッドが身近に思えてきました!

今調べたところによるとコードネーム(chord symbol)は1920年代にジャズミュージシャンの間で必要に迫られて発生した仕組みで、作曲、編曲家、ピアニストのFerde Grofe(1892-1972)とピアニスト、バンドリーダー、作曲家のFerdinand "Jellly Roll" Morton(なんとかわいい名前!)により発案された「らしい」です。
時代的にはこの本が書かれたのより少し前ではありますが、当時の新しい情報の伝わり方や、一般的になったのはいつ頃なのか、またジョージハミルトングリーンにとって必要を感じたものだったのかを考えると、使われていないのは自然なことだといえるかもしれません。

ブログを書くにあたり再読していたら、色々練習を試したいことが出てきたので、今日はここまで。


 

George Hamilton Green's Instruction Course for Xylophone

  • 2016.04.15 Friday
  • 09:25


付箋いっぱいついた写真ですみません。

Geoge Hamilton Green's Instruction Course for Xylophone -A Complete Course of Fifty Lessons-

/Randy Eyles & Garwood Whaley

まずはじめに開くべきはこの一冊だと思います。
1920年代にジョージハミルトングリーン氏により書かれた、全50回の2本バチのための練習メソッドです。
1926年に1回分1ドルという価格で発売され(すなわち全部で50ドル。当時では安くはない価格です。)後に多くのすばらしい鍵盤打楽器奏者が育ちます。ジョージハミルトングリーンはクラシックのピアノとバイオリンをこどもの頃に習ったそうで、クラシックのテクニカルメソッド的なものがこの本からも感じられます。私の意見では、それはとても賛成。窮屈な印象はありますが、「とにかく楽器が上手くなるため」を考えると近道だと思います。

各レッスンでは様々な拍子、音符、調(全調でやるように、と書かれています)で、いろいろなテーマにスポットを当て構成されています。一回分がA4でだいたい3ページで、最後のページは毎回Ragtimeのフレーズやパターンの練習になっています。すべての音符に手順が付けられています。
各テーマは目次に書かれていますが、double stops(両手を同時に弾くこと)、speed studies、Grace notes(修飾音符)、broken chords(分散和音)、などなど。クラシック(あるいはジャズ?)初心者でも、五線譜が読めれば始められるような、丁寧な解説と楽譜だと思います。
しかしジョージハミルトングリーン氏の教則本にはコードネームが出てくることがほぼありません。ラグタイムのページなどは載っていた方が便利だといつも思うのですが、なぜなのでしょう。ラグタイムの演奏家はきっちり書かれた譜面を弾くことが一般的なのでしょうか。これについてはより具体的にインプロヴァイズへの導入が載っているもう一冊の教則本の解説で詳しく検討したいと思います。

全3ページではありますが全調で(major、minor、さらにはmelodic minor、dorian、mixolydian、locrian)やるとなると(そして厳しいメッセージを守るとなると)とても時間がかかります。ずっと繰り返して練習したい一冊です。

最後にジョージハミルトングリーン氏の厳しい教えを原文のまま載せておきます。
1) No wrong notes 
2) Double stops struck together 
3) Relax
4) Little fingers close to the keyboard
And remember , if you have trouble with any of the above , slow down.

およそ100年後の日本で小さな木琴を前に、この文章に震えている女の子がいるとは彼は夢にも思っていないだろうなぁ。